ツルコズ M
昭和5年にカナモジカイの松坂忠則(マツサカタダノリ)氏がデザインした「ツル5 号」を復刻しました。
カタカナだけで表記したときでも読みやすくなるように工夫された、デコボコした設計の書体です。欧文のデザインを参考にデザインされていて、のちの和文タイプライター書体にもその設計は活かされています。
今回、「ツルコズ」フォントをつくるにあたって、そのコンセプトに合わせたひらがなも加えました。
- 「カナ ノ ヒカリ ダイ 110 ゴウ」
昭和6 年2 月号(カナモジカイ刊)より
- かなバンク ツルコズ M
カタカナは左右54%幅、ひらがなは左右58%幅で設定しています。下2列は1バイトのプロポーショナル欧文です。
ツルコズ M+TB明朝 M
ツルコズ M+漢字タイポス48
ツルコズ M+TBゴシック L
ツルコズ M+TBゴシック L C6(長体60%)
稲垣足穂『彗星問答ー私の宇宙文学』(潮出版社)より
ツルコズは文字幅が全角より狭く、長体に設計されています。
IllustratorやInDesignなどのアプリケーションの設定で、約物などの空き量を自動設定にしている場合、一般的な全角送りの書体とは異なるレイアウトになる恐れがあります。 [段落>文字組み]の設定を「なし」にしてお使いください。
ツルコズ M
- TBかなバンク-ツルコズ M
- 祖父江慎(そぶえ・しん)
1959 年、愛知県生まれ。愛知県立旭丘高校美術科卒。多摩美術大学グラフィックデザイン科中退、工作舎のアートディレクターとなる。1988 年、フリーランス。1990 年に事務所名をコズフィッシュとする。現在、有限会社コズフィッシュ代表。すべての印刷されたものに対する並はずれた「うっとり力」をもって、日本のブックデザインの最前線で、小説、漫画、絵本、写真集など幅広いジャンルを手がけている。代表作に『伝染るんです。』(吉田戦車著、小学館刊)や『ちいさなうさこちゃん』(ディック・ブルーナ著、福音館書店刊)などがある。