タイプバンクについて

1960年代に、書体開発に新しい方向性を見いだし、当時のグラフィックデザイン界に大きな反響を呼んだモダン書体「タイポス」の制作・普及に取り組んだ集団が誕生しました。それが「グループ・タイポ」です。
グループ・タイポの一員だった林隆男は、アナログフォントのディレクション、デザインおよびプロデュースなどを行う会社として、1975年に株式会社タイプバンクを設立しました。

タイプバンクがプロデュースした書体は数多くあります。
なかでも「水井正ナウシリーズ」と「味岡伸太郎かなシリーズ」は、リョービイマジクス株式会社(2012年にリョービ株式会社と合併)とライセンス契約して写植用書体として販売され、多くのデザイナーに愛されてきました。
タイプバンクは、その後も新しいメディアのための書体開発に意欲的に取り組み、ビットマップフォントや、印刷業界および各種デジタル機器向けのアウトラインフォント、さらに学術的な研究結果をもとに改良を重ねて設計したユニバーサルデザインフォントなどの開発も行っています。

2010年にモリサワグループの一員となり、モリサワの技術を活かした製品開発も行っています。2012年には旧リョービ書体に関する権利の譲渡を受け、タイプバンクとして今まで以上に豊富な書体を提供することができるようになりました。

技術革新により、紙への印刷から電子出版などの電子デバイスでの表示へ、メディアは多岐に拡がってきましたが、どの時代にあっても「文字」は無くてはならないものです。
タイプバンクは、創業時からのこだわり「書体としての必要な機能性、デザインの完成度」を今後も継承しつつ、新たな環境に柔軟に対応すべく、美しい文字を提供し続けてまいります。